デジタル整理とデジタル遺品とデジタル終活
2024.12.19.
今年最後のコラムです。
早いもので、今年も残すところあと10日余りですね。
つい先日、夫と「来年の年賀状はどうする?」「終活の流れで年賀状仕舞いする人も増えたよねー」なんていう話をしながらテレビをみていると、国民生活センターの女性職員の方が、「事前に情報を整理しておく“デジタル終活”を進めてほしい」と呼びかけている様子が報道されていました。
遺産の相続やお墓といった物理的なこと以外に、”デジタル遺品”に関するトラブル、つまり、インターネット上で保有していた資産の確認や定額制のサービスいわゆる「サブスク」の解約ができずに、困っているという話はよく耳にしますが、ものすごい数の相談が全国の消費生活センターに寄せられているんだそうです。
今や、スマートフォンでインターネットを利用する人は、20〜59歳の各年齢層で約9割だそうで、現代社会では、個々の生活がデジタルデバイスに大きく依存している、と言えます。 パソコンの所有率は、スマートフォンなどのモバイル端末の保有率と比較すると、低くなっていますが、それでも世帯保有率は78.5%。約8割の人が何らかの情報をパソコンで管理しているわけです。
スマートフォンに限らず、ハードディスクやパソコンには、写真や文書、メール、SNSや銀行のアカウント情報のような個人的なデータから、仕事で作成したデータや、管理を任されているものなど、非常に重要なデータが保存されています。
人によっては、プライベートなデータはスマートフォンにあるが、パソコンには仕事の重要なデータだらけ、という方もいると思いますが、これらのデータは持ち主が突然なくなった場合、「デジタル遺品」として残されることになります。
この新しい形の遺産は、そのままでは家族はもちろん、仕事の関係者にとっても大きな負担となりかねません。
特に大きな問題としてとりあげられているのは、デバイスへのアクセスで、ご存知のとおり、 多くのデバイスはパスワードで保護されており、それを知らないとデータを開くことすらできません。 家族がパスワードを認識していないケースが多く、アクセスするのに苦労して、スマホの中身は諦めた……、という話はよく耳にしますし、それらの対策を呼びかける様子もよく目にします。
しかし、パスワードが分かったからといって問題が解決するわけではなく、その後更なる問題が発生します。そうです。デバイス内のデータが整理されていないこと、つまり「デジタル整理」ができていない、という問題が出てくるわけです。
データが整理されていないことが大きなリスクになる
整理されていないデジタルデータは、残された人々に大きな負担を強いることになります。 大切な家族の写真、重要な契約書、未完了の仕事のデータなどが埋もれているとしたら….どうでしょう。
膨大な量のデータが整理されていないと、大切な情報が見落とされる可能性も十分に考えられます。
このような混乱を避けるためにも、日常的に「デジタル整理」を行うことが重要です。2級の講座でもお伝えしているように、まずは、「プライベート」と「仕事」の分類をしておくだけでも大きく違います。例えば、「プライベート」のフォルダには趣味や個人的なこと、写真、などのファイルを。「仕事」のフォルダは、クライアントや、事業別に分けて、それぞれのフォルダに内容がわかるフォルダ名をつけるとよいですよね。
これにより、残されたデータの検索が容易になり、どのデータをどこに引渡せばよいか、もわかるようになるわけです。
デジタル整理アドバイザーにできること
私たちの暮らしがデジタル化する限り、残されたモノやコトもまたデジタル対応が必要になってきます。事前にデジタル整理を行うことは、残された家族や、チーム、お仕事の関係者への最低限の配慮として、余計な手間や負担を軽くし、スムーズに必要な情報を引き継ぐことが可能です。
デジタル時代を生きる私たちの責任、ともいえますね。
最低限、余計な手間や負担を軽くし、スムーズに必要な情報を引き継ぐためには、日常からデータを整理し、情報の場所を明確にしておくことが重要です。
今、世間一般に言われている「デジタルデバイスへのアクセス」をクリアした先の整理の問題が明るみにでるのは時間の問題です。
この機会に、自分のパソコンの中、サーバーの中、クラウドストレージの中を見直してみてはいかがでしょうか。少しの工夫と準備が、いざという時に大きな助けになるでしょう。
株式会社 デジタル・ファイリング・ラボ
代表 福永恵
追伸。
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