「あの人じゃないとわからない…..」、どうすれば防げる? 共有の整え方
2025.6.10.
こんにちは。デジラボ代表の福永です。
みなさんのオフィスやプロジェクトでは、「あの人じゃないとわからない問題」って起きてませんか?
「どこにあるか、●●さんしか知らないんです…」
チームでファイルを共有していると、こんな場面に心当たりはありませんか?
「えっと…それは●●さんの個人フォルダにあります」「以前Slackで送ったかも」――大事なファイルが“あの人だけの引き出し”に入ったまま、誰も把握できていない状態です。
このような“属人化”は、単なる探しづらさにとどまらず、引き継ぎの滞りや情報の分断、そして業務の非効率化にもつながります。
いざというときに困るのは、自分自身かもしれません。
デジタル整理®の2大必須要素として、ネーミングと分類が大事だと学びましたよね?
これこそが、「誰でも探しやすくする工夫」の基本。
この考え方は、チームでのファイル共有にも応用できます。
「これでいいのかな?」と感じたときこそ、共有を見直すチャンスです。
今回はそんな方に向けて、“今すぐできる、小さな共有の整え方”をご紹介します。
“第三者の視点”でフォルダをつくる
共有フォルダを整えるうえで、まず見直したいのが「フォルダ構成」と「フォルダ名」です。
つい、自分が使いやすいようにフォルダを作ってしまいがちですが、それが属人化の始まり。自分以外の人にとっては、「どこに何があるのか、さっぱりわからない…」という状態になりやすいのです。
だからこそ意識したいのが、“第三者の視点”の視点です。
たとえば、プロジェクト名や取引先名をフォルダ名に入れる、同じ種類の資料は「請求書」「写真」「議事録」など文書別に分類する、といった工夫が有効です。
また、フォルダの階層はできるだけ浅く・そろえるのがポイント。深すぎる構造は、探すのに手間がかかるだけでなく、誤って別の場所に保存されやすくなります。
さらに、【全員共有】【作業中】など、フォルダ名の頭に役割を表すラベルをつけておくと、どのフォルダがどんな目的で使われているのかが一目で伝わります。“自分がいなくても、第三者が迷わずたどり着けるか?”
この視点を持つだけで、共有フォルダはぐんと使いやすくなります。
「見えるルール」が、チームを整える
共有フォルダをつくっても、誰も使ってくれない…。
そんな声もよく耳にします。せっかく時間をかけて作っても、活用されない。
その原因のひとつは、「どう使えばいいのかがわからない」という状態。つまり、ルールが見えないのです。
そこで意識したいのが、“格納ルールの見える化”。
デジタル整理アドバイザー1級では、いきなり整理に取りかかるのではなく、
まず「どこに何を入れるのか」を考えるために、フォルダの構成やルールを整理した『フォルダ構成表』を作成します。
そして、その内容をもとに、中長期的な運用や維持管理を行うための『フォルダ管理台帳』へと発展させ、継続的な管理を目指します。
これらは、属人化を防ぎ、チーム全体のファイル運用をスムーズにするための、非常に有効なツールです。
とはいえ、いきなり管理表をつくるのはハードルが高い…という場合は、まずはREADMEファイル(GoogleドキュメントでもOK)をフォルダに入れてみるだけでも、驚くほど効果があります。
「この中には何を入れるのか」「ファイル名はどうつけるか」など、ほんの数行のメモでも、第三者が内容を理解し、正しく使えるようになります。
「属人化を防ぐ」というのは、誰かを責めることではなく、「誰でも使えるしくみ」を整えて、チームがスムーズに動ける環境をつくることです。
こうした「使える状態」を仕組みとして整えるのが、フォルダ管理表という考え方。
READMEファイルは、その入口としてすぐに取り入れられる“簡易版”です。
小さな工夫からでも、チームの共有環境はきっと変わっていきます。
仕組みをきちんと整えて、もっとラクに、スムーズに
ちょっとした仕組みを見直すだけでも、業務の「無駄」や「不安」は驚くほど軽減されます。
今、なんとなく続けている共有方法も、仕組みとしてきちんと整えれば、もっとラクに、もっとスムーズに回るようになります。「チームのファイル環境をもっとよくしたい」と感じた方は、ぜひ、デジタル整理アドバイザー1級認定講座で、“共有のしくみ”を自信をもってつくれる力を身につけてみませんか?
株式会社 デジタル・ファイリング・ラボ
代表 福永恵