総務の文書管理の方法やポイント・コツを解説!見直す際の注意点も

企業の総務部門では、契約書や社内規程、稟議書、会議資料、人事関連書類など、さまざまな文書を扱います。これらの文書は、適切に管理されてこそ業務の効率化や正確な情報共有につながります。

しかし実際には、

「必要な書類がすぐに見つからない」
「紙と電子データが混在している」
「保存期間や管理ルールが曖昧」

といった課題を抱えている企業も少なくありません。

文書管理が整っていないと、業務効率の低下だけでなく、情報共有の遅れやコンプライアンスリスクにもつながります。特に近年は、電子化やペーパーレス化の進展により、紙と電子をどのように統一して管理するかが重要になっています。

本記事では、総務における文書管理の基本や具体的な方法、効率化のポイント、見直しの注意点について分かりやすく解説します。

1.総務での適切な文書管理が求められる理由

企業では日々多くの文書が作成・共有されています。これらの文書を適切に整理し、必要なときにすぐ取り出せる状態にしておくことは、総務の重要な役割です。

総務の文書管理とは、企業内で発生する契約書や社内規程、会議資料、人事書類などの文書を、作成・保存・共有・廃棄まで含めて体系的に管理することです。

文書管理が整っていない場合、情報を探す時間が増え、業務効率の低下につながります。ここでは、文書管理の基本と重要性について解説します。

1-1. 文書管理とは?

文書管理とは、企業内で扱う文書を「作成・保存・共有・活用・廃棄」まで一貫して管理する仕組みです。

企業には、日々さまざまな文書が発生します。例えば次のようなものです。

  • 契約書
  • 稟議書
  • 会議資料
  • 人事関連書類
  • 経理書類
  • 各種申請書
  • 業務マニュアル

また、社内のルールを定める社内規程も重要な文書として管理が必要です。

これらの文書を整理せずに保管していると、必要な情報を探すのに時間がかかり、業務効率の低下や情報共有の遅れにつながります。そのため、分類や保存ルールを明確にし、すぐに取り出せる状態にしておくことが重要です。

1-2.総務で文書管理が重要な理由

総務部門で文書管理が重要とされる理由は、主に「業務効率の向上」「情報共有の円滑化」「コンプライアンス対策」の3つが挙げられます。企業では日々多くの文書や情報が作成され、社内で共有されています。これらの文書を適切に管理することは、業務のスムーズな運営だけでなく、企業全体の生産性や信頼性にも大きく影響します。

業務効率の向上

文書管理が整っていると、必要な情報をすぐに見つけることができ、業務をスムーズに進めることができます。実際に、ビジネスパーソンは業務時間の約20%前後を情報探しに費やしているともいわれています。とくに電子文書の場合は、パソコンの前に座っていると資料を作成しているのか、必要なファイルを探しているのかが顕在化しにくく、情報探しの時間に思った以上に費やされている可能性は高いです。文書管理の改善は大きな効率化につながります。

情報共有の円滑化

文書管理は、社内の情報共有を円滑にするためにも重要です。文書の保存場所やルールが統一されていれば、担当者以外でも必要な情報にアクセスでき、業務の属人化を防ぐことができます。また、クラウドサービスを活用して電子文書を共有することで、社内のどこからでも必要な情報にアクセスできる環境を整えることができ、情報共有も容易になります。

こうした仕組みを整えることで、部署間の連携がスムーズになり、企業全体の業務効率の向上にもつながります。

コンプライアンス対策

企業には法律や社内規程に基づいた文書の保存義務があります。例えば、会計帳簿や契約書、人事関連書類などは、一定期間の保存が法律で義務付けられています。

そのため、文書の保存期間を明確にし、適切に管理することは企業のコンプライアンスを守るうえでも非常に重要です。もし文書管理が不十分で、必要な書類が紛失してしまった場合、監査やトラブルの際に適切な対応ができなくなる可能性があります。

さらに近年は、情報セキュリティや個人情報保護の観点からも、企業の文書管理体制が厳しく求められています。適切な文書管理を行うことで、情報漏えいや管理ミスなどのリスクを防ぎ、企業の信頼性を高めることにつながります。

このように、総務における文書管理は単なる書類整理ではなく、業務効率の向上、情報共有の促進、コンプライアンスの確保といった企業活動の基盤を支える重要な役割を担っています。

2.文書管理の基本的な方法

文書管理を適切に行うためには、「分類・保存・共有・廃棄」までの流れを仕組みとして整えることが重要です。特に総務では多くの文書を扱うため、管理ルールを統一しなければ、情報が分散し検索性が低下してしまいます。

また近年では、紙文書だけでなく電子文書の管理も重要になっており、紙とデジタルの両方を意識した文書管理の仕組みづくりが求められています。ここでは、総務担当者が押さえておきたい文書管理の基本的な方法について解説します。

2-1. 紙文書の管理方法

紙文書は、物理的なスペースを必要とするため、体系的に整理して管理することが重要です。書類が増えるほど管理が難しくなるため、最初にルールを整えておくことで、長期的に管理しやすい環境を作ることができます。

紙文書管理の基本は、次の4つのポイントです。

  • 文書を種類ごとに分類する
  • ファイリングルールを統一する
  • 保存期間を設定する
  • 保管場所を明確にする

特に、文書の種類ごとに保存期間を決めた文書保存規程を作り、適切に管理することが重要です。保存期間が過ぎた文書を定期的に整理・廃棄することで、保管スペースを効率的に活用できます。

2-2. 電子文書の管理方法

近年はペーパーレス化の進展により、電子文書の管理がますます重要になっています。電子文書は物理的な保管スペースを必要としない一方で、管理ルールが曖昧だとデータが増え続け、必要な情報を見つけにくくなるという問題が起こりやすくなります。

電子文書管理の基本は、次の3つのポイントです。

  • フォルダ構造を統一する
  • ファイル名にルールを設ける
  • クラウドを活用する

このように、総務の文書管理では、紙文書と電子文書それぞれの特徴を理解し、社内で統一した管理ルールを整えることが重要です。適切な文書管理の仕組みを作ることで、文書を探す時間を減らし、社内の情報共有や業務効率を大きく向上させることができます。

文書管理は「ルールを統一すること」が最も重要なポイントです。

3.【総務の文書管理】ポイント・コツ

総務における文書管理は、単に書類やデータを整理するだけではなく、社内の誰もが必要な情報をすぐに見つけられる状態を作ることが重要です。

しかし実際には、部署ごとに文書の管理方法が異なっていたり、紙文書と電子文書が混在していたりすることで、必要な資料を探すのに時間がかかるケースも少なくありません。また、ファイル名の付け方や保存場所のルールが統一されていない場合、同じ情報が複数の場所に保存されてしまうなど、管理が複雑になることもあります。

このような問題を防ぐためには、文書管理の基本となるポイントやコツを押さえ、社内で共通のルールを整えることが重要です。ここでは、総務担当者が実践したい文書管理のポイントについて解説します。

3-1. 文書管理のルールを統一する

文書管理を効率化するためには、まず社内で管理ルールを統一することが重要です。

例えば、部署ごとにフォルダ構造やファイル名の付け方が異なると、文書を探す際に混乱が生じてしまいます。文書管理のルールを社内で統一することで、誰でも同じ方法で文書を保存・検索できるようになります。

統一すべきルールの例としては、次のようなものがあります。

  • フォルダ構造
  • ファイル名の付け方
  • 文書の保存場所
  • 保存期間
  • アクセス権限

これらを社内ルールとして明確にすることで、文書管理の効率が大きく向上します。

3-2. 分かりやすいファイル名を付ける

文書管理するうえで重要なのが、ファイル名の付け方です。

ファイル名が曖昧だと、必要な文書を見つけるのに時間がかかってしまいます。例えば「〇〇関連」「その他〇〇」「最終版」「会議資料」などのファイル名では、内容を判断することが難しくなります。

電子文書を例に、おすすめのファイル名の付け方は

日付+内容+対象

という形式です。


202604_契約書_〇〇株式会社.pdf
202605_会議資料_営業会議.pptx

このように内容が分かるファイル名にすることで、検索機能を使って文書を見つけやすくなります。

3-3. フォルダ構造をシンプルにする

文書管理では、フォルダ構造を複雑にしすぎないことも重要です。

フォルダ階層が深くなりすぎると、どこに文書を保存すればよいのか分かりにくくなり、結果として文書が分散してしまうことがあります。

そのため、フォルダ構造はできるだけシンプルにすることがポイントです。企業規模等にもよりますが、3階層程度をひとつの目安とするとよいでしょう。

3-4. 紙文書と電子文書の管理方法を統一する

企業では紙文書と電子文書が混在しているケースが多くあります。

このとき、紙と電子で管理方法が大きく異なると、文書を探す際に混乱が生じる可能性があります。そのため、紙文書と電子文書の分類ルールをできるだけ統一することが重要です。

例えば、紙文書で

契約書
人事
経理

という分類をしている場合、電子文書でも同じ分類を使うことで、管理方法を分かりやすくすることができます。

3-5. クラウドサービスを活用する

近年は、クラウドサービスを活用した文書管理が一般的になっています。

クラウドサービスを利用すると、社内のどこからでも文書にアクセスできるようになり、情報共有がスムーズになります。

代表的なクラウドサービスには次のようなものがあります。

  • Google Drive
  • Microsoft SharePoint
  • Dropbox

また、クラウドサービスではアクセス権限を設定することができるため、重要な文書の情報管理もしやすくなります。

3-6. 定期的に文書を整理する

文書管理は、一度整理すれば終わりではありません。

日々の業務の中で文書やデータは増え続けるため、定期的に整理することが重要です。

例えば次のような取り組みが有効です。

  • 年1回の文書棚卸し
  • 保存期限の確認
  • 不要文書の廃棄
  • フォルダ構造の見直し

このように定期的に文書管理を見直すことで、常に整理された状態を維持することができます。

3-7. 文書管理の担当者を明確にする

企業では文書管理のルールを決めても、誰が管理するのかが曖昧だと運用がうまくいかないことがあります。そのため、文書管理の責任部署や担当者を明確にしておくことが重要です。総務部門が中心となり、各部署の文書管理ルールを整備することで、企業全体の情報管理がスムーズになります。

4. 文書管理を見直す際の注意点

文書管理を改善する際には、いくつかの注意点があります。文書管理は企業の業務効率や情報共有に大きく関わる重要な仕組みですが、やみくもに新しいルールを導入したり、急に管理方法を変更したりすると、かえって現場に混乱が生じてしまうこともあります。

また、総務部門だけでルールを決めても、実際に文書を扱う各部署の運用と合っていなければ、ルールが定着せず形骸化してしまう可能性もあります。文書管理は一度整備すれば終わりというものではなく、社内の業務内容や働き方の変化に合わせて、継続的に見直していくことも重要です。

そのため、文書管理を見直す際には、社内の現状を把握したうえで、無理なく運用できる仕組みを段階的に整えていくことが大切です。

ここでは、総務が文書管理を見直す際に押さえておきたい主な注意点について解説します。

一度にすべて変えない

文書管理を一度に大きく変更すると、現場が混乱する可能性があります。まずはルールを整理し、段階的に改善することが大切です。

現場の意見を取り入れる

管理ルールは、実際の業務に合っていることが重要です。総務だけで決めるのではなく、各部署の意見も取り入れることで、実際に使いやすい仕組みになります。

運用ルールを周知する

どんなに良いルールを作っても、社内で共有されなければ意味がありません。マニュアルや社内説明を行い、運用ルールを浸透させることが重要です。

5. 総務の文書管理を見直す場合には

総務は企業全体の文書管理の中核を担う部署です。そのため、総務の管理体制が整うことで、企業全体の業務効率が向上します。

しかし、実際には「紙文書と電子データが混在している」「フォルダ構造やファイル名のルールが統一されていない」「必要な文書を探すのに時間がかかる」といった課題を抱えている企業も少なくありません。こうした課題を解決するためには、文書管理の基本的な考え方やデジタルデータの整理方法を体系的に学び、社内の管理ルールや仕組みを整備していくことが重要です。

その第一歩としておすすめなのが、デジタル整理アドバイザー2級認定講座(入門・基礎編)です。この講座では、受講者自身が検索しやすく管理しやすいデジタルデータ環境を構築・維持できるようになることを目的としており、フォルダ構造の作り方やファイル名のルールなど、デジタル文書管理の基本を学ぶことができます。まずは自分自身のデータ環境を整えることで、デジタル整理の基礎を理解することができます。

さらに、総務担当者のように社内で文書管理の仕組みづくりに関わる立場の方には、デジタル整理アドバイザー1級認定講座(応用・実践編)の受講もおすすめです。1級講座では、他者と共有するデジタルデータを効率よく管理・運用できる仕組みを設計できるようになることを目的としており、チームや組織で情報を共有するためのフォルダ設計や管理ルールの作り方など、より実践的な内容を学ぶことができ、企業全体の情報管理を最適化できます。

総務は会社全体の文書管理のかなめとなる部署です。総務担当者がデジタル整理の知識やスキルを身につけることで、社内の情報共有がスムーズになり、文書管理の効率化やペーパーレス化の推進にもつながります。

文書管理の見直しや社内のデータ整理を進めたい方は、デジタル整理アドバイザー2級から1級まで段階的に学び、企業全体の文書管理の仕組みづくりに役立ててみてはいかがでしょうか。

まずは2級講座から、自社の文書管理を見直す第一歩を踏み出してみてください。

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このコラムを書いた人:有賀 照枝
(株式会社デジタル・ファイリング・ラボ 取締役/デジタル整理アドバイザー®認定講師

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