【DXリテラシー標準(DSS-L)】とは?策定の背景や活用方法などを解説

DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が広く浸透する一方で、「何から学べばよいのか分からない」「自分の業務とどう関係するのか見えにくい」と感じている方も多いのではないでしょうか。

こうした課題に対応するために策定されたのが、「DXリテラシー標準(DSS-L)」です。本記事では、DXリテラシー標準の定義や策定の背景、DX推進スキル標準との違い、具体的な内容や活用方法について分かりやすく解説します。

1.DXリテラシー標準(DSS-L)とは?

フDXリテラシー標準(DSS-L)は、すべてのビジネスパーソンが共通して身につけるべきDXに関する基礎的な知識・考え方・姿勢を整理した指針です。

経済産業省が中心となって策定しており、特定の職種やIT専門人材だけでなく、企業や組織で働く幅広い人材を対象としています。

DXリテラシー標準は、単なるデジタルスキルの習得ではなく、「なぜDXが必要なのか」「自分はどのように関わるのか」を理解するための土台を示している点が特徴です。

1-1.策定の背景

近年、多くの企業がDX推進に取り組んでいます。しかし、十分な成果を上げられていないケースも少なくありません。

その要因の一つとして挙げられるのが、DXを担う専門人材と、現場で働く社員との間にあるデジタルリテラシーの差です。

DXは一部のIT部門だけで完結するものではありません。全社員がデジタルや情報活用の基本を理解し、変化に対応できる人材になることが求められています。

このような背景から、「職種を問わず全てのビジネスパーソンが身につけるべきDXの基礎」を明確化するためにDXリテラシー標準が策定されました。

1-2.DX推進スキル標準との違い

DXリテラシー標準とあわせて示されているのが「DX推進スキル標準」です。
両者の違いは、対象と目的にあります。

DXリテラシー標準
すべてのビジネスパーソン向けの基礎的な知識・スキル・マインドを整理したもの

DX推進スキル標準
DXを企画・推進する専門人材向けに、職種別・レベル別のスキルを定義したもの

DXリテラシー標準は、DX推進スキル標準の前提となる「共通基盤」といえる位置づけです。

2. DXリテラシー標準の詳細

DXリテラシー標準は、大きく「Why」「What」「How」「マインド・スタンス」の4つの観点で構成されています。

2-1. Why

「Why」は、なぜDXが必要なのかを理解する領域です。

社会や市場環境の変化、デジタル技術の進化がビジネスや働き方にどのような影響を与えているのかを学びます。

DXを単なる流行語としてではなく、経営課題や組織課題と結びつけて考える視点を養います。

2-2. What

「What」は、DXを理解するうえで必要な基礎知識を整理した領域です。

データ活用、デジタル技術の基本、情報セキュリティ、法令や倫理など、現代のビジネスに不可欠な情報リテラシーが含まれます。

IT専門家レベルの高度な知識ではなく、「業務に必要な基礎理解」が重視されています。

2-3. How

「How」は、デジタル技術やデータをどのように業務改善や価値創出につなげるかを考える領域です。

ツールを使えること自体が目的ではなく、業務プロセスの見直しや課題解決の手段として活用する力が求められます。

2-4. マインド・スタンス

DXリテラシー標準では、スキルだけでなく「姿勢」も重要視されています。

変化を前向きに受け入れる姿勢、継続的に学習する意欲、多様な人材と協働する力などが含まれます。

DXは技術の問題だけでなく、人材と組織文化の問題でもあるという考え方が反映されています。

3. DXリテラシー標準の学習効果・活用方法

DXリテラシー標準の学習効果や活用方法としては以下のことが挙げられます。

3-1.学習効果

DXリテラシー標準を学ぶことで、DXに対する理解が深まり、自身の業務とデジタルの関係が明確になります。

また、部門間で共通言語が生まれ、DX推進の土台づくりにつながります。

デジタルに対する苦手意識の軽減や、主体的な学習意欲の向上も期待できます。

3-2.活用方法

DXリテラシー標準は、以下のような場面で活用されています。

  • 企業の人材教育・研修プログラムの設計
  • DX関連テストや資格学習の基礎整理
  • 職種横断の共通研修の枠組み
  • 自己学習のチェックリスト

組織全体のデジタルスキル底上げを図るための指針として活用できます。

4. DXリテラシー標準を活用してみては

DXは一部の専門部署だけが担うものではありません。

まずは、

  • 自社の教育設計は整っているか
  • DXの共通理解はあるか
  • 情報やデジタル活用は属人化していないか

を確認することが重要です。

DXリテラシー標準は、その確認軸となる“共通基盤”です。

個人の学習指針としてはもちろん、企業における研修設計の参考指標としても活用できます。

デジタル・ファイリング・ラボが提供している「デジタル整理アドバイザー®2級認定講座」は、デジタル人材育成プラットフォーム「マナビDX」に掲載されている講座です。

マナビDXは、経済産業省のIT政策実施機関である独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営する、デジタルスキル習得講座のポータルサイトです。

本講座は、DXリテラシー標準で示されている基礎的な領域の理解にもつながる内容を含んでいます。

DXを“概念理解”で終わらせるのではなく、日常業務や組織の情報管理にどう活かすのか。
その第一歩として、基礎を体系的に学ぶことは有効です。


DXを“流行語”で終わらせず、“仕組み”として整えていきましょう。

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このコラムを書いた人:梶岡 ルミ子
(株式会社デジタル・ファイリング・ラボ 取締役/デジタル整理アドバイザー®認定講師

暮らしとデジタルの融合から生まれる“快適さ”を探求。
多様な書類管理と情報収集の経験をいかし、

デジタルを身近で楽しい存在に感じられるようサポートしている。