【電子文書の整理方法】コツやおすすめ管理ツールを紹介

パソコンやスマートフォン、クラウドサービスの普及により、私たちは日常的に多くの電子文書を扱うようになりました。

契約書、請求書、業務資料、写真、PDFデータなど、気づけばデータは増え続け、

  • 「保存したはずの書類が見つからない」
  • 「どこに入れたか思い出せない」
  • 「整理しようと思いながら後回しになっている」

と感じている方も多いのではないでしょうか。

電子文書は、紙と違って散らかっていても見えないため、問題に気づきにくいのが特徴です。
しかし、整理されていない電子文書は、探す時間の増加や業務効率の低下、情報漏えいリスクにもつながります。

本記事では、電子文書の整理・管理方法の基本、実践しやすいコツ、注意点、便利な管理ツールまでを分かりやすく解説します。

これから電子文書整理を始めたい方、見直したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

1. 電子文書を整理する重要性

電子文書は、仕事や日常生活を支える重要な情報資産です。
デジタル化が進んだ現在では、紙よりも電子文書を扱う場面のほうが多くなり、文書の整理・管理のあり方が、業務効率や情報活用の質を大きく左右するようになっています。

電子文書は一度保存すると簡単に増え続けるため、整理や管理のルールがないまま運用していると、情報が分散し、必要なデータを活用しづらい状態に陥りがちです。

こうした状況を防ぐためには、電子文書を「ただ保存するもの」ではなく、「活用するために整理・管理すべきもの」として捉えることが重要です。電子文書を適切に整理・管理することで、情報の価値を最大限に引き出し、仕事や暮らしをよりスムーズに進めることができます。

では、なぜ電子文書整理がこれほど重要だと言われているのでしょうか。

次の項目では、その理由を具体的に解説します。

そもそも電子文書整理とは

電子文書の整理とは、パソコンやスマートフォン、クラウド上に保存されている文書やデータを、目的や用途に応じて分類し、一定のルールに基づいて管理することを指します。

単にフォルダを作って保存するだけではなく、「どこに保存するのか」「どのように分類するのか」「どのようなファイル名を付けるのか」といった運用ルールまで含めて整えることが、電子文書整理の基本です。

また、電子文書は一度整理すれば終わりではありません。

新しいデータが増えることを前提に、継続的に見直しながら管理していくことが求められます。

このように、電子文書の整理とは、情報を使いやすい状態に保つための“仕組みづくり”と言えるでしょう。

電子文書整理が重要な理由

電子文書整理が重要な理由の一つは、探す時間を減らし、作業効率を高められることです。
整理されていない電子文書環境では、必要な情報を見つけるまでに時間がかかり、本来の業務以外に多くの労力を費やしてしまいます。

また、電子文書が整理されていないと、ファイルの重複や最新版の取り違えが起こりやすくなります。
その結果、確認や修正作業が増え、業務の正確性や信頼性にも影響を及ぼします。

さらに、電子文書整理は情報共有やセキュリティ管理の面でも欠かせません。
整理された状態で管理されていれば、誰がどの情報を扱っているのかが把握しやすくなり、情報漏えいや誤操作のリスクを抑えることができます。

このように、電子文書整理は単なる片付けではなく、情報を正しく使い、守り、活かすための基盤となる取り組みです。

整理するメリット

電子文書を整理・管理することで、日々の作業や情報の扱い方に大きな変化が生まれます。
最も分かりやすいメリットは、必要な情報をすぐに見つけられるようになることです。
フォルダ構成やファイル名が整理されていれば、探す時間が短縮され、作業効率が大幅に向上します。

また、電子文書を整理することで、ファイルの重複や最新版の取り違えを防ぐことができます。
これにより、確認や修正にかかる手間が減り、業務の正確性や信頼性の向上につながります。

さらに、電子文書整理は情報共有のしやすさにも効果を発揮します。
誰が見ても分かる管理ルールがあることで、チーム内での引き継ぎや共同作業がスムーズになり、属人化の防止にも役立ちます。

加えて、電子文書を整理・管理することは、セキュリティ対策の面でも重要です。
保存場所やアクセス権限を明確にすることで、情報漏えいや誤操作のリスクを抑え、安心してデジタルデータを扱える環境を整えることができます。

では、こうしたメリットを得るためには、電子文書をどのように整理・管理すればよいのでしょうか。
次の章では、電子文書整理の具体的な方法や進め方について解説します。

 2. 電子文書の整理・管理方法

電子文書の整理・管理を効果的に進めるためには、やみくもにフォルダを作ったり、ツールを導入したりするのではなく、基本となる考え方と手順を押さえることが重要です。
整理の進め方を誤ると、一時的に整っても、すぐに元の状態に戻ってしまいます。

電子文書整理を継続し、管理しやすい状態を保つためには、
「現状を把握する」「分類の軸を決める」「定位置を作る」といった基本を段階的に実践することが欠かせません。

これらの基本を理解することで、電子文書の量やツールの種類に関わらず、再現性のある整理・管理が可能になります。

2-1.電子文書整理の基本

電子文書の整理・管理は、やみくもに始めるのではなく、決まった手順で進めることが重要です。基本となるステップは、次の3つです。

ステップ1:現状を把握する

 まずは、パソコンやクラウドにどのような電子文書が保存されているのかを確認します。
業務資料、契約書、請求書、写真など、種類や保存場所を把握することで、整理の全体像が見えてきます。

ステップ2:分類ルールを決める

 次に、電子文書をどの基準で整理・管理するかを決めます。
「業務別」「目的別」「取引先別」「年月別」など、後から探すときの視点を基準に分類するのがポイントです。

ステップ3:定位置を決めて保存する

 分類ルールに沿って、電子文書の保存場所(定位置)を決めます。
「この種類の文書は必ずここに保存する」というルールがあることで、整理された状態を維持しやすくなります。

2-2. 電子文書整理をスムーズに進めるポイント・コツ

【ポイントまとめ】

  • フォルダ階層は深くしすぎない(3階層程度が目安)
  • ファイル名に「日付+内容」を入れる
  • 個人ルールではなく、共有前提で考える
  • 完璧を目指さず、まずは8割整理を目標にする

電子文書整理をスムーズに進め、継続するためには、いくつかのコツがあります。

まず意識したいのは、フォルダ構成をシンプルにすることです。階層を深くしすぎると、かえって探しにくくなります。3階層程度を目安に、誰が見ても分かる構成を心がけましょう。

次に重要なのが、ファイル名の付け方です。

日付・内容・相手先などを組み合わせたファイル名にすることで、検索性が大きく向上します。
例:「202604_請求書_〇〇株式会社.pdf」

また、電子文書は「個人だけが分かる整理」ではなく、共有を前提とした管理を意識することも大切です。

他人が見ても理解できるルールを作ることで、引き継ぎや共同作業がスムーズになります。

2-3. 注意点

  • 不要データの削除前にバックアップを取る
  • セキュリティ・アクセス権限を考慮する
  • 法令や保存義務(契約書・経理書類など)を確認する

電子文書整理では、いくつか注意すべき点があります。

よくある失敗の一つが、整理=削除と考えてしまうことです。
業務で使用する電子文書には、法令や社内ルールにより保存義務があるものも多く、安易な削除はトラブルの原因になります。

また、バックアップを取らずに整理を進めてしまうのも注意が必要です。
万が一のデータ消失に備え、整理前には必ずバックアップを行いましょう。さらに、整理ルールを決めても運用されなければ意味がありません。
電子文書整理は、一度整えて終わりではなく、継続的に管理・見直しを行うことが重要です。

電子文書整理の基本や進め方を理解した上で、適切なツールを活用することで、整理・管理はさらに効率化できます。

次の章では、電子文書整理に役立つおすすめの管理ツールをご紹介します。

3.電子文書整理におすすめの管理ツール

電子文書を整理・管理するためのツールは、大きく分けて次の2種類があります。

  • クラウドストレージサービス
  • 文書管理システム(DMS)

それぞれ役割や向いている利用シーンが異なるため、目的に応じて選ぶことが重要です。個人での電子文書整理と、組織での電子文書管理では、求められる機能やツールが異なります。

クラウドストレージサービス【個人〜小規模向け】

クラウドストレージは、電子文書をオンライン上で保存・管理できるサービスです。
フォルダ整理や共有、バックアップがしやすく、個人利用や小規模チームに向いています。

代表的なクラウドストレージ

Google ドライブ
Googleアカウントがあればすぐに使える点が特徴です。
フォルダ管理がしやすく、検索機能にも優れているため、電子文書整理の入門として使いやすいツールです。

Dropbox
シンプルな操作性と安定した同期機能が強みです。
ファイル管理に特化しており、複数端末で同じ電子文書を扱う場合に便利です。

OneDrive
Microsoft製品との相性が良く、WordやExcelを日常的に使う人に向いています。
電子文書をOfficeファイル中心で管理したい場合に適しています。

文書管理システム(DMS)【法人・組織向け】

文書管理システム(DMS:Document Management System)は、電子文書を組織全体で管理することを目的としたツールです。

主な特徴は以下の通りです。

  • バージョン管理(最新版が一目で分かる)
  • アクセス権限の細かな設定
  • 高度な検索機能
  • 監査・内部統制への対応

電子文書の量が多い企業や、 契約書・規程類など厳密な管理が求められる場合に向いています。

ただし、導入コストや運用ルールの整備が必要なため、 「整理の考え方」が整っていない状態で導入すると形骸化しやすい点には注意が必要です。

ツール導入時のポイント

電子文書整理ツールを選ぶ際は、次の視点で比較しましょう。

  • 誰が使うのか(個人/チーム/組織)
  • 電子文書の量や種類
  • 操作の分かりやすさ
  • 既存の業務ツールとの相性
  • 継続して運用できるか

重要なのは、ツールを導入することが目的にならないことです。
電子文書整理は、ルールと運用があってこそ効果を発揮します。

電子文書管理ツールは、正しい整理の考え方と組み合わせることで、初めて効果を発揮します。

4. 電子文書の整理・管理方法をチェック

電子文書の整理・管理は、一度ルールを決めれば終わりというものではありません。
情報は日々増え続けるため、整理された状態を維持できているかを定期的に確認することが重要です。

まずは、次のポイントをチェックしてみましょう。

  • 電子文書の保存場所やフォルダ構成は明確になっているか
  • ファイル名の付け方にルールがあり、検索しやすい状態か
  • 不要な電子文書と、残すべき文書が整理されているか
  • 情報共有やアクセス権限が適切に管理されているか

これらが曖昧なままだと、せっかく管理ツールを導入していても、電子文書整理の効果は十分に発揮されません。

電子文書の整理・管理を継続的に行うことで、
「探す時間の削減」「業務効率の向上」「ミスやトラブルの防止」につながります。

また、整理された電子文書環境は、仕事の進めやすさだけでなく、精神的な負担の軽減にも効果的です。

もし、「自分のやり方が正しいのか分からない」「体系的に学び直したい」と感じた場合は、 電子文書整理の基本から実践までを学べるデジタル整理アドバイザー認定講座を活用するのも一つの方法です。

デジタル整理アドバイザー2級認定講座では、個人のパソコンの整理理論を中心に、デジタル整理アドバイザー1級認定講座ではチームで使用する共有フォルダ内の整理理論が学べます。2級・1級を通して電子文書整理・管理の考え方を体系的に学ぶことができ、 個人のデジタル環境改善はもちろん、仕事や職場で活かせるスキルとして身につけることができます。

電子文書整理を「自己流」で終わらせず、 正しい知識と仕組みを身につけることが、快適で効率的なデジタル環境への近道と言えるでしょう。

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このコラムを書いた人:有賀 照枝
(株式会社デジタル・ファイリング・ラボ 取締役/デジタル整理アドバイザー®認定講師

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